ネットショップの始め方|自社通販を立ち上げる手順と成功のポイント

ネットショップの開業は、個人事業から中小企業まで手軽に取り組めるようになりました。
ただし、自社通販で継続的に売上をつくるには、販売コンセプトの明確化や構築ツールの選定、運営体制の整備などを計画的に進めることが重要です。
本記事では、自社通販サイトを立ち上げる際に押さえておきたい基礎知識や準備の流れ、費用の目安などについて詳しく解説します。
自社通販サイトを立ち上げようとしている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ネットショップを始める前に
押さえたい基本知識

ネットショップを立ち上げる前に、販売の仕組みや運営方法の全体像を把握しておくと、準備を進めやすくなります。
まずは、ネットショップの基礎知識と主な開業スタイルについて紹介します。
ネットショップの仕組み
ネットショップとは、インターネット上で商品やサービスを販売・購入できる仕組みを備えたサイトを指します。
利用者はサイト上で商品を選び、注文や決済を行い、ショップ側が在庫確認から発送まで対応します。
この流れを支えるのが、購入画面や商品ページを構成する「フロントエンド」と、在庫・受注・配送などを管理する「バックエンド」です。双方が連携することで、スムーズな取引や在庫管理が可能になります。
主な開業スタイル(自社EC・モール)
ネットショップには、大きく「自社EC型」と「モール型」の2つの開業スタイルがあります。
自社ECサイトは、自社で構築・運営を進めるため、デザインや価格設定、販売戦略を柔軟に設計できる点が特徴です。
一方で、複数店舗が出店するモール型は、既存の集客力を活かせるメリットがあるものの、出店料や販売手数料が発生します。
近年では、自社ECとモールを併用し、集客力の確保とブランド育成の双方を図るケースも増えています。
ネットショップの始め方7ステップ

ネットショップを立ち上げる際は、手順を沿って進めることで効率的に準備を整えられます。
ここからは、販売コンセプトの設定から商品登録、運用体制の整備まで、開業に必要な7つのステップを紹介します。
ステップ1:
販売コンセプトとターゲットを決める
初めに「誰に」「何を」「どんな価値で」届けるのかを明確にします。商品ジャンルや価格帯、ブランドイメージなどを整理し、ターゲット層に合った販売コンセプトを設定しましょう。
コンセプトやターゲットを決める際は「3C分析」「SWOT分析」「4C/4P分析」などの基本的なマーケティングフレームワークが役立ちます。
これらの分析は開業前だけでなく、運営中も継続して行い、顧客ニーズの変化に柔軟に対応することが成功のポイントです。
ステップ2:
商品ラインナップと仕入れ方法を決める
設定したコンセプトを踏まえ、販売する商品ラインナップを明確にします。
ターゲット層のニーズを意識しながら、自社の強みを活かせる主力商品を選定しましょう。
併せて、商品をどのように調達するかも検討が必要です。
仕入れ、自社やOEMによる製造、在庫を自社で持たないドロップシッピングなど調達方法によって、コスト構造や在庫リスクが変わります。
原価や保管コストを試算し、無理のない販売体制を設計することが安定した運営につながります。
ステップ3:必要な届出・許可を確認する
ネットショップでは、扱う商品によって届出や許可が必要な場合があります。
たとえば、食品は保健所の「営業許可」、中古品は公安委員会が発行する「古物商許可」が必要です。
さらに、化粧品や医薬部外品の販売には「製造販売業許可」が求められます。
また、税務署への「開業届」や屋号の登録も忘れずに行いましょう。
法令に沿った手続きを整えておくことで、安心して事業をスタートできます。
ステップ4:
構築ツール・カートシステムを選定する
ネットショップを構築する際は、「自社ECサイト(カート型)」と「モール型」のいずれかを選びます。
ブランドを育てたい場合やデザイン・価格設定を自由に行いたい場合は、自社ECがおすすめです。
一方で、初期集客を重視する場合は、既存のユーザー基盤を活かせるモール型が向いています。
自社ECは初期の構築が難しそうなイメージがありますが近年では、初心者でも扱いやすいクラウド型カートシステムも増えています。
機能・コスト・サポート体制を比較し、自社のスキルや体制に合うツールを選定しましょう。
ステップ5:導入する決済方法を選択する
ネットショップで利用できる決済方法は、多岐にわたります。
クレジットカードや銀行振込、スマホ決済、後払い決済など、顧客の利便性を高める手段を幅広く検討しましょう。
弊社で調査したデータによると、初めて利用するネットショップに希望の決済方法がないと、約7割の方が購入を断念すると回答しています。

購入機会を失わないためにも、ターゲットの年代や購買傾向、商品の価格帯を踏まえ、使いやすい決済方法を導入するようにしましょう。
ステップ6:商品登録・ページ制作を行う
ネットショップの印象を左右するのが、商品登録とページ制作です。
商品画像や説明文、価格などは正確かつ魅力的に掲載します。
利用者が具体的にイメージしやすいように、写真の品質や説明のわかりやすさにもこだわりましょう。
また、サイト全体のデザインや導線を整え、利用者が迷わず購入まで進めるページ構成を意識することが重要です。
決済方法や配送情報、返品対応など購入後の流れも明記し、安心感を持ってもらえるようにしましょう。
ステップ7:販売開始後の運用を整える
ネットショップ公開後は、アクセス数や売上などのデータを定期的に確認し、集客施策や販売戦略の改善に活かします。
広告やSNSで新規顧客を獲得し、メール配信やポイント制度などでリピーターを増やす工夫も重要です。
また、誤出荷や対応遅延を防ぐには、在庫管理・顧客対応・配送業務など日常的な運営体制の整備が欠かせません。
データ分析と業務管理の両面から改善を積み重ねることで、安定した運営と長期的な成長につながります。
ネットショップを始める際に
かかる費用

ネットショップを開業する際は、事前に必要な費用を把握しておきましょう。
ここからは、主な費用項目をまとめて紹介します。
構築・デザイン・ドメイン費用
ネットショップの構築費用は、モール出店型か自社ECサイトかによって大きく異なります。
モール出店型の場合、出店料や月額利用料が発生し、初期費用は無料~10万円程度が一般的です。
一方、自社ECサイトを構築する場合は、ドメイン・サーバー契約費やデザイン制作費、システム開発費などが必要になります。
テンプレートを活用すれば10万円前後に抑えられますが、デザインの自由度や機能拡張を重視する場合は追加費用が発生し、100万円以上となるケースもあります。
予算に応じて、どこまで外部に依頼するかを検討することが重要です。
機材や設備にかかる費用
ネットショップを運営するには、商品撮影や発送作業に必要な機材・設備の準備も欠かせません。
カメラ、照明、撮影用背景シートなどは、商品の魅力を適切に伝えるために必要な投資です。
また、梱包資材やプリンター、パソコンといった日常的に使用する備品も揃えておきましょう。
整備にかかる費用は扱う商品や規模によって異なりますが、撮影機材や備品は数万円程度で揃えられるケースが多い傾向にあります。
仕入れ・在庫管理にかかる費用
仕入れ費は、商品の単価や仕入れ先、販売見込み数によって大きく変動します。
安定した取引先を確保し、販売計画に基づいた仕入れを行うことが重要です。
また、在庫を保管する倉庫費用や、在庫管理システムの利用料も併せて考慮する必要があります。
仕入れ費が想定より高くなる場合は、仕入れ先の見直しや価格交渉によりコストを抑えられる可能性があります。
なお、自社で製造を行う場合は、仕入れ費ではなく製造費として扱います。
許可申請や各種登録にかかる費用
ネットショップでは、扱う商品によって営業許可や届出の申請が求められる場合があります。
たとえば、古物商許可の新規取得にかかる費用は19,000円です(2025年11月時点)。
参照元:古物商許可申請(警視庁)
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/tetsuzuki/kyoka.html
また、自社ブランドを立ち上げる際には商標登録費用も発生します。
こうした申請・登録費用は事業内容によって異なるため、開業前に必要な手続きを確認したうえで予算に組み込んでおきましょう。
ネットショップを始める際の
注意点

ネットショップを適切に運営するには、商品やサービスの販売だけでなく、法令やルールの遵守も欠かせません。
最後に、ネットショップ運営で特に注意すべきポイントを整理して紹介します。
販売禁止商品や規制対象を確認する
ネットショップで販売できる商品には、法律や条例による制限があります。
危険物・薬物・銃刀類などは販売が禁止されており、取り扱うと法令違反となる可能性があります。
前述した通り、酒類・医薬品・中古品・化粧品などは、販売にあたって許可や届出が必要です。
さらに、偽ブランド品や著作権を侵害する商品も販売禁止の対象に含まれます。
開業前に、取り扱い予定の商品が規制の対象になっていないか、必ず確認しておきましょう。
法令に基づく表記を整える
ネットショップを運営する際は、「特定商取引法」に基づく表記をサイト内に掲載する義務があります。
これは、利用者とのトラブルを防ぐために定められたルールです。
事業者名や所在地、電話番号などの連絡先に加え、販売価格・送料・支払い方法・引き渡し時期なども明記する必要があります。
併せて、キャンセル・返品・返金の条件など、トラブルにつながりやすい項目も必ず記載し、利用者が確認できる状態にしておきましょう。
セキュリティと個人情報保護を徹底する
近年、オンラインサービスの普及にともない、不正アクセスや情報漏えいのリスクが高まっています。
安心してネットショップを運営するには、セキュリティ対策の徹底が欠かせません。
通信内容を暗号化する「SSL(暗号化通信)」の導入、強固なパスワード設定、アクセス権限の管理などは必ず実施しておきたい基本対策です。
さらに、ネットショップでは名前や住所、クレジットカード情報などの個人情報を扱うため、個人情報保護への対応も重要です。
顧客データの利用目的や管理方法を明確にし、プライバシーポリシーを整備して信頼性の高いショップ運営を目指しましょう。
多様な決済手段を導入して離脱を防ぐ
ネットショップの購入率を高めるには、多様な決済手段を導入することが大切です。
決済方法が限られていると、希望する支払いが選べず購入を断念してしまうケースがあります。
OREND(オレンド)の調査では、ネットショップでよく使われている決済手段としてクレジットカード・デビットカードが約7割を占めています。
そのため、オンライン決済で利用率が高いクレジットカード・デビットカードは、必ず押さえておきたい手段です。
参照元:OREND(オレンド)|ネットショッピングの支払い方法に関する調査レポート|クレジットカード決済が主流、ID決済が広がる傾向【OREND(オレンド)独自レポート】
さらに、電子マネー、銀行振込、後払い決済など複数の方法を提供できれば、幅広い顧客ニーズに対応できます。
利用者にとって安全でスムーズな購入環境は、決済時の不安を減らし、離脱防止にもつながります。
まとめ

ネットショップを成功へ導くには、販売コンセプトの明確化からサイト構築、運用体制の整備までを段階的に進めることが欠かせません。
なかでも、決済手段の選定は顧客の利便性と信頼性を左右する重要なポイントです。
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