ECサイトの売上を伸ばすには?
売上が上がらない4つの原因と解決策10選

ECサイトを運営していても、思うように売上が伸びず悩む事業者は少なくありません。
「高品質な商品を揃えているのに売れない」「アクセス数はあるのに購入につながらない」など、ECビジネスにおいて多くの悩みを抱えているでしょう。
魅力ある商品やサービスを提供していても、それだけで売上が伸びるとは限りません。サイト設計や施策が不十分な場合、潜在顧客を取りこぼす可能性があります。売上を拡大するには、課題を正しく把握し、的確な対策を取ることが欠かせません。
そこで本記事では、ECサイトの売上が上がらない主な原因を4つに整理し、売上アップにつなげる具体的な施策を10選紹介します。成果改善を目指すEC事業者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ECサイトの売上アップを目指すための前提事項

ECサイトの売上アップを実現するには、「誰に、何を、どのように売るのか」といった基本の分析を行うことが欠かせません。
以下のような観点で、自社サイトの課題を洗い出してみてください。
(例)
| 顧客ニーズと自社商品が マッチしているか |
ニーズが合わなければ、 いくら訴求しても成果は出ない |
| 競合との差別化ができているか | 他社にはない魅力を提示できなければ、 顧客は流れてしまう |
| 自社の強みを活かせているか | 独自の価値や得意分野を前面に 出せていなければ、 「選ばれる理由」が弱まる |
こうした前提を整理すれば、売上を妨げる原因を特定できるようになります。まずは基本に立ち返り、ECビジネス全体を見直しましょう。
ECサイトの売上が上がらない4つの原因

ECサイトの売上が伸びていない場合、必ず原因が存在します。売上アップに効果的な施策を取り入れるために、「原因」を明確にしましょう。
そもそもECサイトの売上は、以下の計算式で算出することが可能です。
売上=アクセス数×購入率×客単価
アクセス数:ECサイトへの訪問者数
購入率(コンバージョン率):訪問者のうち購入に至った割合
客単価:顧客1人あたりの平均購入金額
上記のいずれかに課題があると、売上は伸びにくくなります。これを踏まえて、ECサイトの売上が上がらない具体的な4つの原因について見ていきましょう。
原因1:集客力が低い
ECサイトの集客力が低いと、商品を認知・購入してもらえる機会が少なくなります。
ECサイトの売上を伸ばすには、まず訪問者を増やさなければなりません。しかし、集客力が低ければアクセス数が伸びず、顧客が限定されてしまいます。
インターネット上には大量のECサイトや大手モールがあり、効果的な集客を行わないと自社サイトは埋もれてしまいます。どれほど魅力的な商品を取り揃えていても、その存在を顧客に知ってもらえなければ売上にはつながりません。
まずは、アクセス解析ツールなどを通して、流入経路ごとのアクセス数や訪問者の傾向などを確認してください。そこから、ターゲット層の訪問者数は十分か、集客が特に弱い流入経路はどこか、といった具体的な課題を探りましょう。
原因2:購入率が低い
ECサイトに十分なアクセス数はあるものの、売上が伸びないケースも多く見られます。この場合、ECサイトを訪れた人が購入に至る割合、つまり購入率が低いことを疑いましょう。
「購入率が低い」とは、訪問者の多くが商品やサービスを購入せずに離脱してしまう状態を意味します。訪問者が多くても、最終的な購入につながらなければ売上は向上しません。
購入率が低い原因を掘り下げると、代表的なものは以下の通りです。
| 訪問者と商品・サービスのミスマッチ | そもそも訪問者の多くが、 商品を本当に必要としているターゲット層ではない |
| ECサイトにおける利便性の問題 | 購入までのフローに不便さやわかりにくさがあり、 離脱してしまう |
| 商品・サービスの訴求不足 | 商品の価値やベネフィットが不明確で、 訪問者に響いていない |
購入を妨げている要素を特定するには、多角的な分析が必要です。訪問者の傾向やECサイト自体の設計、商品ページごとの離脱率など、さまざまな観点から課題を探りましょう。
原因3:客単価が低い
商品はそれなりに売れているものの、全体の売上金額が目標に届かないこともあります。この場合、1回の購入で顧客が使う金額、つまり客単価が低いことを疑いましょう。
具体的には、単品購入の顧客が多い、低価格な商品ばかり選ばれている、といった原因が考えられます。まずは、販売データを分析して平均購入額や購入パターンを確認し、客単価が低い原因を明確にしてください。
価格設定に無理がないか、販売チャネルやプロモーションの仕組みは適切か、といった基本戦略を見直すことが大切です。そのうえで、客単価アップにつながる個別の販売戦略も検討するようにしましょう。
原因4:リピート率が低い
ここまで紹介した3つの原因は、主に新規顧客の獲得に関わるものです。しかし、売上が伸び悩む背景には、既存顧客が継続的に購入してくれない、つまりリピート率の低さも多分にあります。安定的にリピーターを増やせなければ、長期的な売上拡大は難しくなるのです。
一般的に、新規顧客の獲得に要するコストは、既存顧客の維持に要するコストの5倍程度と言われています。つまり、新規顧客の獲得ばかりに偏った施策では費用対効果が低くなりがちです。
また、リピート率の低下はLTV(顧客生涯価値:顧客が生涯でもたらす収益の総額)の低下にも直結します。新規顧客の獲得も重要ですが、既存顧客の維持もおろそかにしないことが、ECビジネスの長期的な成長には欠かせません。
リピート率が低い原因としては、購買後のフォロー不足、顧客との接点が乏しい、定期的に購入を促す仕組みがない、といった点が挙げられます。購入履歴や顧客属性を分析し、適切なアプローチを行うことで、再購入を促し売上の安定化につなげられます。
ECサイトの売上を伸ばすための施策おすすめ10選

ECサイトの売上を伸ばすには、アクセス数・購入率・客単価・リピート率といった指標ごとに適切な施策を選び、組み合わせることが大切です。ここからは、ECサイトの売上アップに効果的なおすすめの施策を10個に絞って紹介します。
【アクセス数UP】SEO対策による自然流入の強化
アクセス数を増やすための基本施策として挙げられるのが、SEO(検索エンジン最適化)です。ターゲット層が検索するキーワードで自社ページを上位表示できれば、自然とユーザーの目に触れやすくなり、アクセス増加につながります。
SEOとは、Googleなどの検索エンジンで自社のWebページを上位に表示させるための取り組みです。ECサイトにおける代表的な施策には、次のようなものがあります。
| 区分 | 施策 | 具体例 |
|---|---|---|
| 内部施策 | ・検索エンジンが理解しやすい ECサイト構造の整備 ・コンテンツマーケティング(自社サイト内) |
・Webページ情報(タイトルや説明文)の 見直し ・ECサイトの階層構造や内部リンクの 最適化 ・ECサイト内でコラム記事を公開する |
| 外部施策 | ・コンテンツマーケティング (外部媒体活用) ・被リンク獲得やSNS運用 |
・YouTubeなどで有益な動画を公開する ・SNS(X・Instagramなど)で情報発信する ・外部メディアへの寄稿によって 被リンクを獲得する |
特に、コラム記事や動画によるコンテンツマーケティングは、多くのECサイトが取り入れる基本的な手法です。ターゲット層に合わせてキーワードを設定し、検索意図に応えるコンテンツを発信することが重要です。
また近年では、XやInstagramなどのSNSが幅広く活用されています。リアルタイム性の高い投稿や画像・動画を活用した発信により、多様なユーザー層に効率的にアプローチできます。
SEOは広告費をかけずに自社で進められるため、比較的低コストで取り組める点がメリットです。ただし、効果が出るまでには時間がかかるケースがあるため、即効性は期待できません。さらに、市場環境や競合の動きによって検索順位は変動するので、継続的な分析と改善が欠かせません。
【アクセス数UP】SNS広告や広告を活用したターゲット集客
SNS広告やオンライン広告を活用すれば、自社ECサイトに適したターゲット層へ効果的にアプローチできます。運用コストや広告費はかかりますが、商品やサービスの特性に合わせて訴求できる点が大きな魅力です。
例えば、Google広告などのオンライン広告を利用すれば、性別・年代・地域・興味関心などの条件で配信対象を絞り込み可能です。特定の見込み顧客に直接訴求できるため、効率的な集客につながります。
また、X広告やInstagram広告といったSNS広告は、タイムラインやストーリーズ上に自然に表示されるため、ユーザーの目に留まりやすいのが特長です。フォロワー以外の潜在層にもリーチでき、興味・関心や購買意欲の高い層に的確にアプローチできる点がECサイトとの相性に優れています。
【アクセス数UP】キャンペーンによる集客強化
キャンペーンは、新規顧客の獲得や既存顧客の再訪促進に効果的な施策です。割引や特典によるお得感、期間限定の特別感を打ち出すことで、顧客の関心を引きやすくなります。キャンペーンの具体例は、以下の通りです。
- 新規購入者限定の初回割引クーポン
- 季節イベントに合わせた期間限定セール
- 友人紹介やシェアによるポイント・特典プレゼント
このような施策は購入ハードルを下げ、短期的な集客効果を生みやすい点がメリットです。さらに、SNSや口コミを通じて情報が拡散されれば、新規顧客の流入拡大も期待できます。
ただし、多用するとブランド価値が下がったり、顧客が「キャンペーン待ち」になったりする可能性があります。そのため、実施のタイミングや対象を絞ることが重要です。
また、インフルエンサーとのコラボ配信や商品レビュー動画の公開といった企画も有効です。直接的な値引きはないものの、企業の専門性を示すことで信頼獲得につながります。
【購入率UP】商品ページやカートページのUI/UX改善
訪問者がWebページを訪れても、購入までのプロセスが複雑だと離脱してしまいます。これを防ぐためにも、商品ページやカートページなどのUI/UXを改善しましょう。
| UI(ユーザーインターフェース) | ユーザー(訪問者)とECサイトの接点。 ボタンやアイコン、フォームなど、 主にユーザーが直接見たり触ったりする部分を指す。 |
| UX(ユーザーエクスペリエンス) | ユーザー(訪問者)がECサイトを通して得る体験。 スムーズでわかりやすい購買プロセスや、 ストレスのない画面遷移などを含む。 |
特に、商品ページやカートページ、購入フォームなど、商品やサービスの購買に近い部分のUI/UXは重要となります。たとえば、購入フォームが複雑で入力しづらい、購入までに何ページも経由しなければならない、といった仕組みは、顧客の負担を増やしてしまいます。
UI/UX改善の具体例としては、以下が挙げられます。
- 商品選択から購入完了までの手続きをシンプルにする
- 過去の注文履歴からスムーズに再注文きる機能を導入する
顧客が迷わず操作でき、快適に取引を完了できるサイト設計を意識することが、購入率を高めるための近道です。
【購入率UP】レビュー機能による購入意欲向上
顧客の購入意欲を向上させる施策として、レビュー機能の導入が有効です。実際に利用した顧客からの評価を可視化することで購入検討者の不安が和らぎ、最終的な意思決定を促せます。
また、ECサイトのユーザーが発信するレビュー情報は検索エンジンに評価されやすく、ある程度のSEO効果も見込めるでしょう。
特に高額な商品やサービスを扱う場合、購入の決断には信頼性の担保が欠かせません。匿名の評価だけでなく、実名レビューや写真付きの口コミを掲載することで、より高い信頼性を得られます。
ただし、レビュー機能の導入にはそれなりの開発コストが必要な点や、必ずしも好意的な意見ばかりが集まらない点に注意が必要です。ネガティブなレビューに対しても真摯に対応し、改善に活かす姿勢が長期的な信頼構築につながります。
【購入率UP/コスト削減】後払いなど決済方法の拡充
決済方法の選択肢が限られていると、購入直前で顧客が離脱する「カゴ落ち」を招きやすくなります。これを防ぐには、可能な範囲で決済方法を拡充し、幅広い顧客の購買ニーズに応えることが大切です。
カゴ落ちについて、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は、ぜひ以下よりご確認ください。
https://www.ato-barai.com/column/tsuhan/abandonedcart/
特に、初めて利用するECサイトや高額な商品を購入する場合、クレジットカードやスマートフォン決済に抵抗を感じる消費者も少なくありません。商品が届いてから支払える後払い決済であれば、安心感を得られるため購入のハードルを下げられます。
こうしたニーズに応えるうえで、後払い決済を導入するのは有効な選択肢といえます。また後払い業務を委託できる「後払い決済サービス」を活用すれば、自社の業務負担を軽減し、未回収リスクの心配もありません。
自社のECサイトに多様な決済手段を整備し、顧客が自社の購買フローに沿ってスムーズに購入できる環境を提供しましょう。
【購入率UP/リピート強化】メルマガによる顧客アプローチ
メールマガジンは、購読者に定期的に情報を届けることで、既存顧客の再訪問や再購入を促す有効な施策です。季節のイベントやセール時期に合わせたキャンペーン告知や製品紹介を行えば、リピーター獲得につながります。
運用にあたっては、専用のメール配信システムを活用すると便利です。配信リストの管理や送信スケジュールを自動化でき、効率的に顧客へアプローチできます。
内容がセールス情報ばかりに偏ると、顧客に煩わしさを与えて逆効果になってしまいます。そのため、季節に合わせた暮らしのアイデアや商品の使い方、購入者限定のお役立ち情報など、読者にとって有益なコンテンツを盛り込み、「読む価値のあるメルマガ」を意識することが重要です。
また、カートに商品を入れたままの購入者に送るフォローメールや、購入から一定期間後に届くおすすめ商品のステップメールなど、個別の行動に応じた配信を組み合わせることで、より効果的に顧客獲得につなげられます。
【客単価UP】クロスセル・アップセルによる関連商品の提案
客単価を高めるには、顧客に関連商品を提案するマーケティング手法が効果的です。代表的な手法として「クロスセル」と「アップセル」があります。
| クロスセル | 購入対象と一緒に買いたい関連商品を提案する手法 |
| アップセル | 購入対象よりも上位(高価格)の商品を提案する手法 |
クロスセルは購入点数を増やし、アップセルは1商品あたりの単価を引き上げます。両方を組み合わせれば、効率的に客単価の向上が期待できます。
ただし、ECサイトにクロスセル・アップセルを導入するには、レコメンド機能の開発・実装が必要です。さらに、効果的に機能させるには、顧客の購買履歴や行動データにもとづいた適切な提案が求められます。これにはAI(人工知能)技術が必要なケースも多く、開発・運用コストがかかりやすい点に注意しましょう。
【客単価UP】会員ランク・ポイント制度の導入
継続的に取引を行う優良顧客を育成するには、会員ランクやポイント制度が有効です。こうした制度は顧客のロイヤリティを高め、長期的な関係構築やLTVの向上につながります。
| 会員ランク制度 | ゴールド・シルバー・ブロンズなど、 購入実績に応じてランクを付与し、 それぞれに特典を設定する仕組み。 より上位のランクを目指す意欲が高まり、 取引の継続や購入額の増加が期待できる。 |
| ポイント制度 | 購入金額に応じてポイントを付与し、 次回以降の購入に利用できる仕組み。 顧客に「還元」を実感させ、リピートを後押しする。 |
これらの制度は、専用サービスを活用すれば比較的容易に導入可能です。ただし、以下のようなケースがあるため、ルール設計には注意が必要です。
- 難易度が低すぎたり特典が弱すぎたりすると、モチベーション向上につながらない
- 特典が手厚すぎると、利益の減少を招く
制度の目的や自社のビジネスフローに沿ってルールを明確化し、運用体制も整えておきましょう。
【客単価UP】まとめ買い割引・セット販売の実施
まとめ買い割引やセット販売は、顧客にお得感を提供しつつ購入単価を引き上げられる施策です。
| まとめ買い割引 | 購入数量に応じて段階的に割引率を設定する方法。 まとめ買いするほど割引率が高くなれば、 顧客に「多く購入するほど得」という心理が働き、 追加発注を促せる。 |
| セット割 | 関連性の高い商品やサービスを まとめて1つのパッケージとして提供する方法。 化粧品ではスキンケア一式 (化粧水・美容液・乳液)をセットにしたり、 健康食品ではサプリメントとドリンクを 組み合わせたりすることで顧客は必要なものを一度に揃えられ、 コストや手間を削減できる。 |
まとめ買い割引とセット販売を活用すれば、顧客満足度を高めつつ、客単価の向上が期待できます。
まとめ

ECサイトの売上を伸ばすには、アクセス数・購入率・客単価を高める施策と、新規顧客の獲得や既存顧客のリピート率向上を組み合わせることが重要です。
なかでも、購入直前の離脱を防ぐ「決済方法の拡充」は早期に取り組みたい施策です。商品到着後に支払える後払い決済は、利用者に安心感を与え、新規顧客の獲得にも貢献します。
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