後払い決済のトラブル実態とは?
トラブル例や要因、対処法を紹介

ECサイトの決済手段として、商品の到着後に支払いを行う「後払い決済」が定着しつつあります。
利用者にとっては「商品を確認してから支払える」という安心感があり、購入ハードルを下げる有効な決済手段です。
その一方で、後払い決済の利用者がトラブルに直面するケースも見られます。
「身に覚えのない請求があった」「返品したのに請求が続く」といった消費者からの相談は後を絶たず、対応に追われるEC事業者も少なくありません。
そこで本記事では、後払い決済にまつわるトラブルの実態や具体的な事例、トラブルが急増している背景について解説します。
EC事業者が講じるべき対策についても紹介しますので、安全なEC運営のためにぜひ参考にしてください。
目次
後払い決済トラブルの実態とは

後払い決済は、商品を確認してから支払える安心感や、手続きの簡便さという利便性の高さから利用者が増えています。
その一方で、トラブルの相談件数も増加の一途をたどっているのが現状です。
国民生活センターによると、後払い決済サービスに関連する相談件数は、2021年~2024年にかけて右肩上がりで増加しています。
特に、2024年には4万件を超える相談が寄せられており、多くの利用者がトラブルに直面していることがわかります。
出典:増加し続ける後払い決済サービスが関連する消費者トラブル-商品が届いた後に支払えるからといって安心せず、契約条件をよく確認しましょう-
上記の相談件数は、販売方法に何らかの問題があるケースのみを集計したものです。
しかし実際には、トラブルの原因は販売側の問題だけではありません。
消費者の確認不足や支払い遅延といったトラブルも見られます。
こうしたトラブルが増加すると、EC事業者は顧客対応に追われるだけでなく、ブランドイメージの低下や金銭的な損失を被る可能性もあります。
そのため、後払い決済のトラブルに関して理解を深め、適切な対策を講じることが大切です。
後払い決済のトラブル例

EC事業者が直面しやすい後払い決済のトラブル例として、主に以下の3つが挙げられます。
- 身に覚えのない請求
- 返品・キャンセル時の行き違い
- 代金の未払い
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
身に覚えのない請求
「注文した覚えがないのに請求書が届いた」というトラブルは、後払い決済を利用した消費者が抱える代表的な問題です。
悪意ある第三者が他人になりすまして、商品を注文しているケースが少なくありません。
この場合、商品は別の場所で第三者が受け取り、請求書のみが被害者に届くことになるのです。
また、定期購入などの契約内容を認識せずに注文し、2回目以降の請求に驚くケースも見られます。
こうしたトラブルでは、販売側に過失がなくても、被害者への対応や事実確認、警察への相談など、通常の業務を超えた負担が発生します。
特に、なりすまし注文は販売側で防ぐのが難しく、対応コストがかさむ厄介なトラブルといえるでしょう。
返品・キャンセル時の行き違い
返品やキャンセル時の行き違いは、EC事業者と消費者の認識ズレやタイムラグによって生じるトラブルです。
利用者が商品の返品手続きを行ったあと、ECサイト側のシステムで返品処理が完了する前に、自動的に督促状が発送されてしまうケースがあります。
顧客からすれば「返品したのに請求された」という不信感につながりかねません。
特に後払い決済では、商品の配送と請求が同時に行われない仕組み上、返品が発生した際に請求状況とのズレが生じやすくなります。
こうした行き違いを完全に防ぐことは難しいものの、悪評レビューの書き込みや問い合わせの殺到を招く原因となります。
顧客満足度の低下を防ぐには、迅速なシステム連携や、顧客への丁寧な案内が必要です。
代金の未払い
商品代金が回収できなくなる「未払い」は、後払い決済が抱える代表的なリスクです。
支払い前に商品を配送する仕組み上、利用者が支払いを行わなければ代金の回収はできません。
未払いの原因はさまざまです。支払い忘れや代金準備の遅れといったケースもあれば、最初から代金を支払う意思がない悪質なケースも見られます。
代金が回収できない場合、商品の原価や送料、梱包費はすべて販売側の持ち出しとなり、二重の損失は免れません。
特に、自社で後払い決済を運用している場合、督促や回収対応をすべて自社で行う必要があります。
件数が増えるほどEC事業者の負担は増大し、キャッシュフローへの影響も無視できません。
後払い決済のトラブルが
急増している背景

後払い決済のトラブルが急増している背景には、いくつかの要因が絡み合っています。以下では、具体的な内容について見ていきましょう。
不正注文や取り込み詐欺の巧妙化
後払い決済は、他者のアカウントなどを悪用した不正注文や、商品受け取り後に支払いを回避する「取り込み詐欺」を狙われやすい側面があります。
こうした不正行為の手口が組織化・プロ化している点が、トラブル増加の大きな要因です。
たとえば、住所表記の揺れ(「1丁目1番地」と「1-1」など)を使ってブラックリストの判定をすり抜けるなど、手口は年々巧妙になっています。
また取り込み詐欺では、騙し取った商品を転売して利益を得る目的で、高額商品が狙われるケースも少なくありません。
不正行為を行うのは悪意ある注文者ですが、販売店側に十分な対策がなければ、みすみす被害を許すことになります。
EC事業者としても、こうしたリスクを放置したままでは管理体制の甘さを問われかねないため、セキュリティ対策の強化が急務です。
定期購入におけるトラブルの増加
SNS広告経由の流入増加などECサイトの需要は高まり、EC市場の競争も激化しています。
売上を確保するため、過度な割引や「初回無料」を謳った広告など、無理なマーケティングを行うEC事業者も増えました。
こうしたなかで、定期購入を中心にトラブルが増加しています。
具体的には、「1回のみの購入だと思っていたが、実際には複数回の継続購入が条件だった」「解約したくても手続きができない」といったケースが代表的です。
こうしたトラブルのなかには、販売側に有利な状況へ意図的に誘導していると受け取られかねないケースも見られます。
たとえば、解約条件を目立たない場所に小さく記載する、Web上の解約手順をあえて複雑にし、途中で諦めさせるといった、消費者を誤認させかねない手法が挙げられます。
業界全体の信頼を損なわないためにも、EC事業者には高い倫理観と、法令を遵守する姿勢が強く求められます。
市場規模の拡大による利用者の増加
後払い決済サービス市場は急速に拡大しており、利用者も増加しています。
母数となる利用者が増えれば、悪意の有無にかかわらず、未払いなどのトラブルの絶対数が増えることは避けられません。
ある調査によると、後払い決済サービスの市場規模は徐々に伸びていき、将来的には3兆円規模に迫ると予測されています。
後払い決済サービスは、クレジットカードを持たない若年層や、カード利用を控えている層を中心に利用者が急増しました。
「手持ち資金がないため後払いにする」という層も流入しています。
その結果、構造的に未払いリスクが高まり、トラブルの件数を押し上げる要因となっているのです。
EC事業者が後払い決済の
トラブルを防ぐためのポイント

EC事業者が後払い決済のトラブルを防ぎ、健全なEC運営を行うためにも、以下で紹介する3つのポイントを押さえておきましょう。
与信審査の厳格化とシステム連携
後払い決済における不正行為を防ぐには、与信審査の精度を高める取り組みが欠かせません。
自社で管理しているブラックリストや、担当者による簡易的な目視チェックだけでは、巧妙化する不正注文への対応には限界があります。
そのため、与信審査のフローを見直すと同時に、システム連携による自動化と効率化を進めることが大切です。
たとえば、外部の信頼性の高いデータベースと連携し、過去の未払い履歴や不正利用の傾向などを判定材料として活用する方法が挙げられます。
システムを連携させることで、悪質な注文者や転売目的の大量購入を、注文完了前の段階で自動的に検知しやすくなります。
手作業による判断ミスを減らせる点も大きなメリットです。
顧客の誤認を誘発する表示の排除
定期購入などのトラブルを避けるには、ECサイト全体の構造や表示を見直し、顧客の誤認を防ぐ必要があります。
価格・数量・解約条件などの重要事項を明確に記載し、顧客が正しく理解したうえで注文できる導線設計を心がけましょう。
わかりやすい表示は、トラブル防止だけでなく、顧客からの信頼獲得にもつながります。
また、特定商取引法の改正により、EC販売のルールそのものが厳格化されました。
特に、初回購入の大幅な値引きと引き換えに継続購入を求める「定期縛り」は、特定商取引法に抵触するリスクが高まっています。
関連法令を今一度確認し、法律に則った健全なEC運営を心がけましょう。
未回収リスクをカバーする
保証サービスの導入
どれほど対策を講じても、後払い決済にともなう未払いリスクを完全になくすことは難しいのが実情です。
経営への影響を最小限に抑えるには、未回収リスクをカバーする保証サービスの導入が有効な選択肢となります。
後払い決済サービスのなかには、利用者が代金を支払わなかった場合でも、商品代金を100%立て替える「保証型」の仕組みを備えたものがあります。
こうしたサービスを活用すれば、請求業務の負担を軽減しつつ、未払いによる直接的な損失を防止可能です。
サービスを選定する際は、単なる請求代行にとどまらず、未回収時の保証まで含まれているかを必ず確認しましょう。
まとめ

本記事では、後払い決済のトラブル実態や背景、EC事業者がとるべき対策について解説しました。
後払い決済は顧客にとって利便性が高い一方、事業者にとっては未払いや不正注文といったリスクがあります。
自社で後払い決済を運用する場合、外部サービス利用料がかからないため、コスト面でのメリットがあるように思えます。
しかし、厳格な与信審査や請求業務、督促対応などの業務負担は重く、専門的なノウハウも必要です。
こうしたデメリットを解消し、安全に売上を伸ばすには、後払い決済代行サービスの活用がおすすめです。
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