後払い決済と代引きの違いは?
決済手段を判断するためのポイントを紹介

近年、ECサイトや通販ビジネスの拡大にともない、利用者のニーズに応じた多様な決済手段が求められるようになりました。たとえば、「後払い決済」と「代引き」は、商品を受け取ってから支払えるという共通点があり、安心感を重視する利用者から支持を集めています。
しかし、それぞれ仕組みや手数料負担、運用のしやすさに違いがあるため、導入の際は特徴を正しく理解することが重要です。本記事では、後払い決済と代引きの特徴やメリット・デメリットを整理したうえで、適した決済手段を選ぶ際の判断ポイントを解説します。
目次
後払い決済について

後払い決済とは、商品を受け取ったあとに代金を支払う形式の決済方法です。購入時点で支払いを完了させる必要がなく、後日届く支払い案内に従って、コンビニ払いやスマホ決済などで支払いを行います。
利用者にとっては「実物を確認してから支払える」という安心感があり、事前の決済に不安を感じる人でも利用しやすい点が特徴です。さらに、配送時に現金を用意する必要がないため、非対面かつキャッシュレスで完結できる利便性も備えています。
こうした特性から、後払い決済は幅広い消費者層に対応できる手段として注目されており、ECサイトやネット通販での導入が進んでいます。クレジットカードをまだ保有していない若年層にも適しており、導入を検討する価値のある決済方法といえるでしょう。
代引きについて

代引き(代金引換)は、商品を配送する際に、配達員が利用者から代金を回収し、その場で取引が完了する決済方法です。利用者は、注文時に支払い手続きを行う必要がなく、商品到着時に現金や一部の電子マネーなどで代金を支払います。
登録作業やアカウント作成などが不要なため、パソコンやスマートフォンの操作に不慣れな人でも利用しやすい点が特徴です。ただし、代金の受け渡しは対面で行われるため、受け取り時には在宅している必要があります。
クレジットカードが一般に普及する以前は、代引きが通販の主要な支払い手段として広く利用されてきました。現在でも一定のニーズがあり、信頼性の高い決済方法として活用されています。なお、よく似た手段に「着払い」がありますが、こちらは送料のみを受け取り人が負担する仕組みであり、商品代金を回収する代引きとは異なります。
後払いと代引きの違い

後払い決済と代引きは、いずれも「商品が届いたあと」または「届いたタイミング」で代金を支払う決済方法であり、購入時点での支払いが不要です。現金払いがメインである点も共通しており、利用者にとっては安心感の高い支払い手段といえるでしょう。特に、クレジットカードを保有していても使用したくないユーザーや商品を受け取る前に支払い行うことに不安のあるユーザーから支持されています。
ただし、双方の仕組みには明確な違いがあります。後払い決済では、未回収リスクを避けるため、注文時に利用者への与信審査が行われる点が特徴です。審査結果によっては別の決済手段を選ぶ必要があり、不正注文やいたずら注文を未然に防げることがあります。
一方で、代引きには与信審査がなく、基本的に誰でも利用可能です。支払い能力にかかわらず注文できる手軽さがある反面、受け取り拒否や長期不在によって商品が戻ってくるなど、事業者側に負担が発生するリスクもあります。
こうした違いを理解したうえで、目的や顧客層に合わせて適切に導入することが大切です。
後払い決済のメリット・デメリット

ECサイトの決済方法に後払い決済を導入するメリット・デメリットについて見ていきましょう。
後払い決済のメリット
後払い決済は、商品を受け取ったあとに支払えるため、利用者の利便性が高い点が大きなメリットです。支払いは後日送られてくる支払い案内に記載された期日までに行えばよいため、利用者はスケジュールに合わせてタイミングを選べます。
たとえば、給料日後に支払いたい場合や、急な出費を避けたいときなどにも柔軟に対応可能であり、幅広い層から支持されています。資金が手元にない場合でも、必要な商品を購入できる点も魅力の1つです。さらに、クレジットカード情報の入力が不要なケースも多く、セキュリティ面で安心感があります。
最近では、スマートフォンから簡単に支払いを済ませられる仕組みも整い、若年層やスマホユーザーを中心に利用が拡大しています。こうした手軽さと柔軟性により、後払いは新規顧客の獲得にも有効な決済手段といえるでしょう。
後払い決済のデメリット
後払い決済は利便性が高い一方で、事業者にとっては未回収リスクを抱える点が大きなデメリットです。利用者が支払いを行わない場合、代金を回収できないまま取引が終了する可能性があります。また、支払いの遅延が発生するとキャッシュフローに悪影響を及ぼし、事業規模によっては大きな損失につながる可能性があります。
こうしたリスクを抑えるには、代金の保証や未払い時の対応を代行してくれる後払い決済サービスを活用するのが有効です。未払い時にも代金が保証される仕組みを備えたサービスであれば、与信や督促などの業務負担を軽減しつつ、安定した売上管理を実現できます。
特に個人事業主や中小規模のEC事業者にとっては、導入前に保証内容や手数料体系を十分に比較検討することが重要です。
代引きのメリット・デメリット

先述した通り、代引きは従来から浸透している決済手段であり、ECサイトでも多く採用されています。以下では、ECサイトの決済方法に代引きを導入するメリット・デメリットについて見ていきましょう。
代引きのメリット
代引きは、商品と代金をその場でやり取りする仕組みであり、未払いリスクがほとんどありません。利用者は、配達時に現金や一部の電子マネーで支払いを行い、その確認を経て商品を引き渡すため、取引の流れが明確で、代金回収の確実性が高い決済方法です。未入金や決済トラブルを防ぎやすく、安心して運用できる点がメリットといえるでしょう。
利用者にとっても、アカウント登録や複雑な操作が不要で、直感的に利用できる点が魅力です。商品を受け取るタイミングで支払いが完了するため、別途支払いに出向く必要もなく手間がかかりません。特に在宅時間が長い人や現金での支払いを希望する人にとって利用しやすく、幅広い年代に支持されながら、今でも一定の需要を維持している決済手段です。
代引きのデメリット
代引きは回収の確実性が高い一方で、不在時や受け取り拒否によるコスト増加が大きなデメリットです。利用者が在宅していない場合には、再配達や返品対応が発生し、人件費や配送コストがかさむだけでなく、在庫管理や返送処理にも手間がかかります。
さらに、配送時に利用者が対面で受け取ることが前提となるため、非対面での受け取りや置き配・宅配ボックスといった柔軟な配送スタイルには対応できません。特にギフトや代理受け取りなど、利用者本人以外が受け取るケースでは利用しにくく、結果的に利用者層が限定される可能性もあります。
また、支払い時のやり取りに時間がかかるほか、一定の代引き手数料が発生する場合もあります。そのため、導入する際はこれらのデメリットを踏まえて検討することが大切です。
自社に適した決済手段を選ぶための判断ポイント
後払い決済と代引きには、それぞれ異なる特徴があるため、どちらを導入するかは自社の状況や顧客層に応じて慎重に見極める必要があります。最後に、決済手段を選ぶ際に注目すべき判断ポイントを3つの視点で見ていきましょう。
顧客層との適合性を見極める
後払い決済と代引きは、いずれも商品を確認してから支払える点は類似していますが、適している顧客層には違いがあります。たとえば、在宅時間が長く配達を受け取りやすい層には代引きが向いているでしょう。支払いと受け取りが同時に完了するため、シンプルな手続きを求める人にも好まれます。
一方で、日中に不在が多い人は後払い決済が便利です。また、スマホアプリで払えるケースもあるため、柔軟な支払い方法を希望する人からも支持されています。
このように、顧客の生活スタイルや支払い傾向を踏まえて選定することで、購買体験の満足度向上も期待できるでしょう。
客単価・手数料構造を踏まえて判断する
顧客単価や収益構造に応じて適切な決済手段を見極めるには、それぞれの手数料体系を把握しておくことが重要です。たとえば、代引きでは購入金額に応じて手数料が段階的に変動します。一方で、後払い決済は取引金額の一定割合が手数料として発生するため、高額商品では負担が大きくなる可能性があります。
また、どちらの方式でも決済代行会社を利用する場合は、月額費用や管理手数料などの固定コストが生じます。導入前には、自社の販売価格帯や利益率と照らし合わせながら、費用対効果を見極めましょう。
トレンドやシェア率を確認する
決済手段を検討する際は、ユーザーの利用動向や市場全体のトレンドを把握することも大切です。特に、導入比率が高い決済手段は利用者数の多さと直結し、売上拡大のチャンスにもつながります。
経済産業省の発表によると、国内におけるキャッシュレス決済比率は年々上昇を続けており、2024年度には42.8%に達しました。国としても将来的な目標として8割のキャッシュレス比率を掲げ、普及促進に力を入れていることから、今後も利用者の増加が見込まれます。
参照元:経済産業省|「2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました」
この流れを踏まえると、スマホ決済の選択肢もある後払い決済は、キャッシュレス志向の高まりとも相性がよく、利便性を重視する層を取り込みやすいでしょう。支払いの柔軟さを求める若年層や働き世代を中心に、今後も利用が拡大することが期待されます。
一方で、代引きはオンライン決済に不安を抱くユーザーや現金派の人を中心に一定の需要があります。ただし、全体としての需要は縮小傾向にあり、主要なターゲットが限定されつつある点は否めません。
こうした市場動向を踏まえ、自社の顧客層や商材特性に合わせて、最適な決済手段を柔軟に選ぶ姿勢が求められます。
まとめ

後払い決済は、現金派やクレジットカードを持たない層にも対応できる決済手段として注目されています。代引きのような受け取り時のトラブルや、置き配・ギフトといった利用シーンでの制約も少ないため、柔軟な対応が可能です。
さらに、未払い保証付きのサービスを活用すれば、事業者側のリスクを抑えつつ導入できます。
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