ECサイトの不正注文対策5選|
手口や対策時の注意点も解説

注文数の増加は、ECサイトにとって喜ばしいことです。
その一方で、「不正注文」のリスクも高まってしまいます。
不正注文を見過ごせば、売上低下や対応コスト増加といった金銭的な損失のみならず、顧客からの信頼を失う事態にもなりかねません。
不正注文の被害を未然に防ぐには、攻撃の手口を知り、適切な対策を講じることが不可欠です。
そこで本記事では、ECサイトにおける不正注文の代表的な手口や、今すぐ取り組める有効な対策5選を紹介します。
不正注文の不安を払拭しつつ、売上アップにつなげたいEC事業者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ECサイトの不正注文とは

ECサイトの不正注文とは、悪質な手段や目的、悪意をともなって行われる注文全般のことです。
購入プロセスの穴を突いた詐欺的な行為はもちろん、正規の購入プロセスを経ながら転売目的で行われるものなど、その手口は多岐にわたります。
代表的なものは、第三者になりすまして商品を受け取る「なりすまし注文」です。
こうした不正注文は、消費者個人やEC事業者に大きな損害をもたらすため、ECサイト側には適切な対策が求められます。
EC事業者が不正注文対策を
講じるべき理由

不正注文の多くは、一般的なECサイトの利用規約で禁止事項に該当するでしょう。
しかし、利用規約を設けたからといって、不正注文が完全に防げるわけではありません。
ECサイトにおける不正注文は、横行しているのが現実です。
日本クレジット協会の調査によると、クレジットカード不正利用被害額は2014年から増加の一途をたどっており、2024年には555.0億円に達しました。
そのうち約9割にあたる513.5億円が、なりすまし注文などに使われる「番号盗用」による被害でした。
用:一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」
なりすまし注文が発生すると、カード会社による売上の取り消し、いわゆる「チャージバック」が行われます。
EC事業者は売上を失うだけでなく、発送済み商品の原価や送料、決済手数料まで負担する事態となりかねません。
このような損失は、ただ利用規約に記載するだけで完全に防ぐことは不可能です。
不正注文が横行している現状を踏まえると、システム面での検知強化や運用ルールの整備、決済手段の見直しを含めた多角的な対策が不可欠といえるでしょう。
ECサイトにおける不正注文の主な種類

不正注文の手口は年々巧妙化しており、以下のようなパターンが存在します。
- なりすまし注文
- 取り込み詐欺
- 転売目的の大量注文
- いたずら注文
ここからは、ECサイトで発生しやすい主な4種類の不正注文について見ていきましょう。
なりすまし注文
「なりすまし注文」は、第三者のクレジットカード情報などを悪用し、本人になりすまして注文を行う手口です。
被害者は注文した認識がなく、身に覚えのない請求がくることで発覚するケースがよく見られます。
被害者がクレジットカード会社に連絡すると、請求はチャージバックとして取り消されます。
この場合、EC事業者は商品を失ったにもかかわらず、代金を受け取れません。
EC事業者にとって大きな被害となるため、重点的な対策が求められます。
足が付かないように空き家や海外転送サービスを配送先に指定するなど、なりすまし注文の手口は巧妙化しています。
そのため、注文情報だけを見て不正と判断するのは難しく、発覚が遅れるケースも少なくありません。
取り込み詐欺
「取り込み詐欺」は、商品を受け取ってから決済する「後払い決済」などの仕組みを悪用した手口です。
注文者は最初から代金を支払うつもりがなく、商品を受け取ったあとに行方をくらませ、支払いを回避しようとします。
取り込み詐欺を受けたEC事業者は、商品を失っただけで代金を回収できません。
また、転売目的で高額な商品を狙うケースもあります。
なりすまし注文と同様に大きな損失となりやすいため、対策が不可欠です。
転売目的の大量注文
転売目的で同じ商品を大量に注文する行為も、一種の不正注文に含まれます。
人気商品や限定商品を買い占めて他人が入手できない状態を作り、高値を付けて販売することで利益を得ようとする悪質な行為です。
転売目的の買い占めが発生すると、本当に商品を求めている消費者が適正価格で購入できなくなります。
その結果、「あのお店ではいつも買えない」といった不満につながり、顧客満足度の低下やブランドイメージの悪化を招きかねません。
アカウントを量産したり、自動プログラム(Bot)を使ったりするなど、利用規約に違反する手法が用いられるケースも見られます。
ECサイトの信頼性・公平性を保つためにも、EC事業者にとって転売対策は決して軽視できません。
いたずら注文
「いたずら注文」は購入を目的とせず、EC事業者などへの嫌がらせを目的として行われる注文です。
大量に注文して代金引換で受け取りを拒否する、発送直前・発送後のキャンセルを繰り返す、といった行為が挙げられます。
このような注文が発生すると、商品が売れないだけでなく、往復の配送料や代引き手数料、梱包資材費などがすべてEC事業者の負担となります。
対応に時間を取られることで通常業務にも支障が出やすく、精神的な負担も無視できません。
いたずら注文は、売上機会の損失と運用コストの増加を同時に招くため、EC事業者にとっては損失しか生まない悪質な行為です。
被害を拡大させないためにも、早期検知と未然防止を意識した対策が求められます。
ECサイトの不正注文に有効な対策5選

不正注文の手口が多様化している昨今、単一の対策だけで防ぐのは困難です。
さまざまな視点から対策を講じましょう。
ここからは、ECサイトの不正注文に有効な対策を5つ紹介します。
本人認証の仕組みの強化
なりすまし注文などを防ぐには、本人認証の仕組みを強化することが求められます。
正当な利用者であると確実に確認する仕組みがあれば、第三者の情報を不正に利用した注文を未然に検出可能です。
代表的な本人認証の仕組みとして、「3Dセキュア」が挙げられます。
これは、クレジットカード決済時にカード情報の入力に加え、パスワードや生体認証などを求めて本人確認を行う仕組みです。
最新の「3Dセキュア2.0」では疑わしい取引のみ認証を求めるため、ユーザーの利便性を大きく損なわずに本人認証が行えます。
なお、3Dセキュア2.0は2025年3月末までの導入が義務化されています。
万が一、適切に導入されていない場合は速やかに対応しましょう。
また、必要な情報をカード会社へ送信する設定になっていないなど、不備があると正確なリスク判定が行われない可能性があります。
導入後はテスト決済などを行い、正しく動作しているか確認しましょう。
セキュリティコードの必須化
クレジットカード決済において「セキュリティコード」の入力を必須化しましょう。
セキュリティコードは、クレジットカードのカード裏面に記載された3桁または4桁の番号です。
実物のカードを持っていなければセキュリティコードはわかりません。
そのため、カード番号のみが流出したケースでは、一定の不正抑止効果が期待できます。
反対に、セキュリティコードも含めて情報が流出している場合には効果が期待できないため、ほかの対策と組み合わせることが重要です。
不正検知システムの導入
不正注文を見抜くための仕組みとして、「不正検知システム」を導入しましょう。
不正検知システムは、入力された注文情報を過去のデータベースと照合し、機械的に不正のリスクを評価するシステムです。
過去の不正注文に類似した注文や、短時間に繰り返される高額注文などを検知することで、危険な取引を抑止できます。
目視チェックによるすり抜けを防げるだけでなく、担当者の工数削減にもつながるでしょう。
配送先情報の照合
過去に不正注文のあった配送先情報をブラックリストとして蓄積しておき、照合するのも効果的です。
組織的な不正注文の場合、類似パターンの住所などが再利用されるケースもあり、早期に不審な注文を検出できます。
例えば、注文者の住所と配送先住所が異なる場合は地図検索サービスなどで配送先の実在確認を行う、電話番号の疎通確認を行う、などの方法が挙げられます。
特に高額商品や初回注文で住所不一致がある場合は、出荷前に本人確認の連絡を入れるなどの運用ルールを設けるとよいでしょう。
信頼できる決済代行サービスの活用
自社での対策に限界を感じる場合は、セキュリティ対策が充実した決済代行サービスを活用するのも1つの手段です。
信頼できる決済代行サービスであれば、高度な与信審査や不正検知が行われるため、自社で対策する負担を大幅に軽減できます。
特に、商品代金が保証されるサービスであれば、チャージバックや未払いによる金銭的被害を回避できるため安心です。
例えば後払い決済代行サービスの「後払い.com」であれば、商品代金の未回収リスクを100%保証※してくれるため、リスクを抑えながら売上拡大を目指せます。
ECサイトの不正注文対策に
取り組む際の注意点

不正注文への対策は重要ですが、やみくもに取り組めばよいわけではありません。不正注文対策を進める際に注意すべき以下のポイントを押さえておきましょう。
セキュリティ性と利便性のバランスも考慮する
不正注文対策にあたってセキュリティ性を高める場合、利便性とのバランスも考慮しましょう。
セキュリティを強化すると、入力項目や認証手順が増え、正規のユーザーにとって買い物が面倒になります。
また、不正を検知する仕組みを導入したことで誤検知が起き、正当な注文が阻害されるケースも少なくありません。
セキュリティを強化するあまり利便性を犠牲にすれば、購入手続きの途中で離脱(カゴ落ち)されるリスクが高まります。
全取引を一律に厳しくするのではなく、リスクが高い取引のみ認証レベルを上げるなど、ユーザビリティを損なわないバランスの取れた対策を心がけましょう。
なお、以下の記事では、カゴ落ちが発生する原因や対策法について詳しく解説しています。
気になる方は、ぜひご一読ください。
https://www.ato-barai.com/column/tsuhan/abandonedcart/
運用負荷の増大に注意する
目視チェックに頼る不正注文対策は、担当者にとって負担が大きく、運用負荷が増大しやすいです。
注文数が増加した際に出荷が遅延する、疲労によりチェック漏れが発生する、など不正注文とは別のところで問題が生じかねません。
運用負荷の増大が懸念される場合は、システムによる自動化や代行サービスの利用を検討しましょう。
自社の負担を軽減しつつ、一定の精度でリスクを判定できる体制を整えることで、安定した運用と不正注文防止の両立が可能になります。
まとめ

本記事では、ECサイトにおける不正注文の主な手口と、有効な対策について解説しました。
なりすまし注文や取り込み詐欺などの不正行為は年々巧妙化しており、EC事業者には本人認証の強化や不正検知システムの導入、運用体制の見直しといった多角的な対策が求められています。
一方で、不正のリスクにさらされているのは事業者だけではありません。
ECで商品を購入する消費者もまた、「クレジットカード情報が漏洩するのではないか」という不安を抱えています。
こうしたEC事業者・消費者双方の不安を解消し、安心・安全なネットショッピングを実現する有効な選択肢のひとつが「後払い.com」です。
注文時にカード情報を入力する必要がないため、「インターネット上でクレジットカードを使いたくない」という方も安心してネットショッピングを利用することができます。
また、代金回収が100%保証※されるため、EC事業者は未回収リスクを最小限に抑えつつ、CVR(購入率)向上を狙うことが可能です。
※与信審査を通過し、着荷確認が取れた注文のみ
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