リピート通販とは?
メリットや始め方、成功に導く
ポイントを紹介

EC市場の競争が一段と激しくなるなか、顧客獲得コストの上昇や売上の変動に悩むEC事業者は増えています。
新規顧客の獲得に依存した運営では、安定的な成長を維持しにくい場面も多くあるでしょう。
その解決策として注目されているのが「リピート通販」です。
興味はあっても、「どのような仕組みなのか」「どのように始めるのか」といった疑問を抱えるEC事業者も少なくありません。
本記事では、リピート通販の基本、導入によるメリット、具体的な始め方、成功のポイントを詳しく紹介します。
新規ECサイトの立ち上げや既存サイトの売上改善を目指す際の参考にしてください。
目次
リピート通販とは

リピート通販とは、顧客が同じ商品を継続して購入するビジネスモデルのことです。
顧客は一定のサイクルで代金を支払い、EC側は定期的に同じ商品を提供します。「一度購入したら終わり」ではなく、顧客との関係を継続していくのが特徴です。
健康食品や化粧品のように、生活のなかで消費される商材と相性がよい手段といえます。
まずは、リピート通販の基本事項として、導入形態や総合通販(従来型EC)との違いを整理しましょう。
リピート通販の仕組み
リピート通販は、「定期購入」を主軸とするビジネスモデルであり、「サブスクリプションサービス(サブスク)」と呼ばれるビジネスモデルの一つでもあります。
これは、1回限りの取引ではなく、顧客が一度契約すれば、一定期間ごとに料金を支払い、商品やサービスが提供される継続課金方式であり、顧客との長期的な関係構築を目的としています。
ただし、すべてのリピート通販が定期購入契約を前提としているわけではありません。
顧客が自分のペースで注文する都度購入であっても、継続的な購入を促す仕組みが確立していれば、リピート通販に該当します。
また、一般的に定期購入は、健康食品や化粧品などの「特定の商品」を一定期間サイクルで購入する仕組みを指しますが、一方でサブスクは、音楽配信などの「特定のサービスを利用する権利」を一定期間サイクルで購入する仕組みを指します。
日本でサブスクが一般的に認知され始めた当初は、デジタルコンテンツの配信が中心でしたが、現在では洋服や食品をはじめとする、幅広い種類の商品やサービスが提供されています。
総合通販(従来型EC)との違い
ECサイトにおける従来の販売手法である「総合通販」とリピート通販では、ビジネスモデルの構造が大きく異なります。
総合通販は、多種多様なラインナップから顧客がその都度欲しいものを選んで買う「単発購入」が中心です。
顧客の意思で同じ商品を再購入することはあっても、ビジネスの仕組みとして再購入を前提とはしません。
一方でリピート通販では、特定の悩みやニーズに特化した少数の商材を扱い、継続して購入してもらえるように設計します。
そのため、単発の売上向上よりもLTV(顧客が生涯で企業にもたらす利益)の向上を重視したマーケティング戦略をとることが一般的です。
EC事業者がリピート通販を
導入するメリット

EC事業者がリピート通販を導入する主なリットは、以下の3つです。
- マーケティング費用を抑えやすい
- 顧客のファン化・満足度向上が実現しやすい
- 安定した売上を確保できる
以下では、それぞれについて詳しく解説します。
マーケティング費用を抑えやすい
既存顧客との取引が中心となるリピート通販は、マーケティング費用を抑えやすい特徴があります。
一般的に、新規顧客の獲得には、既存顧客に再購入してもらう場合の5倍のコストが必要だといわれています。
リピート通販では既存顧客の売上比率が高まるため、運用が軌道に乗れば新規集客にかかる広告費を減らすことが可能です。
浮いた予算を既存顧客に向けたマーケティング活動に集中投入すれば、効率的にファンの育成を図れるでしょう。
利益を出しやすい体質を作れる点も、リピート通販の大きな魅力といえます。
顧客のファン化・満足度向上が
実現しやすい
リピート通販は、顧客のファン化や満足度向上を実現しやすい手段といえます。
単発購入では、一度購入したあとに顧客との接点が途切れやすいのが難点です。
その点、リピート通販では定期的な商品の発送を通して、同じ顧客と継続的に接点を持てます。
たとえば、商品にメッセージカードを同梱したり、使用状況に合わせたメールを送ったりする施策が有効です。
きめ細やかなサポートや情報提供を重ねれば、ブランドへの信頼感も深まります。
また、同じ商品を都度注文する手間を省き、買い忘れを防げる点も顧客にとってのメリットです。
この便利さや安心感は、顧客満足度を高める大きな要因となります。
満足度が高まり、コミュニケーションが活性化すれば、顧客は次第にファンへと育っていくでしょう。
安定した売上を確保できる
継続的な購入を前提とするリピート通販は、安定した売上を確保できます。
単発購入が中心のビジネスモデルでは、一度購入してくれた顧客から次の売上を得られる保証はありません。
売上が顧客の突発的な購入に依存するため、毎月の売上が不安定になりやすいのが難点です。
その点リピート通販では、購入のサイクルを一度確立できれば、1人の顧客から定期的な売上が見込めます。
解約されない限りは売上が発生するため、将来の売上予測も立てやすいでしょう。
先の見通しが立つことで、在庫管理や資金繰りの計画も容易になります。
リピート通販を導入するための
流れ

リピート通販を成功させるには、準備段階から適切なステップで進めていくことが大切です。
以下では、リピート通販を導入するための流れを4つのステップに分けて解説します。
ステップ1:商材・販売方法の検討
初めに、商材や販売方法を検討しましょう。
リピート通販は、健康食品や化粧品といった「消費してなくなるもの」と相性がよいです。
ただし、誰に何を販売するのかだけでなく、一度に届ける個数や販売サイクルも決めておく必要があります。
組み合わせることに価値がある商材は、セット販売も有効な手段です。
併せて、広告費や原価を含めた費用対効果のシミュレーションも行いましょう。
この段階で、利益が出る事業計画を確実に立てておくことが大切です。
ステップ2:導入方法の検討
次に、自社のECサイトでリピート通販の仕組みをどのように実現するのかを検討しましょう。リピート通販の導入方法には、以下のように2つの方向性があります。
- 完全に独自の仕組みを構築する
- 外部のプラットフォーム(ECカートシステムなど)を活用する
独自の仕組みを構築する場合、自社の要件に合わせて柔軟な設計が可能です。
たとえば、既存の基幹システムと複雑な連携を行ったり、他社にはない特殊な販売ロジックを組んだりできます。
ただし、開発には多額の費用と長い期間が必要です。
そのため、近年ではリピート通販に特化した「ECカートシステム」を利用する導入方法が一般的です。
定期購入に必要な機能がそろっているため、初期費用を抑えつつ短期間で導入を進められます。
ECカートシステムにも多くの種類があるため、予算や機能を考慮して選ぶようにしましょう。
ステップ3:システムの構築・導入
次に、決定した導入方法を基にリピート通販の仕組みを構築します。
2回目以降の注文を自動で生成する定期管理機能や、顧客が自らお届け日やサイクルを変更できるマイページ機能など、リピート商材に特化した機能が必要です。
ECカートシステムを利用する場合は、選定したサービスの仕様を踏まえながら、自社の要件に合わせて設定やカスタマイズを行います。
デザイン調整や複雑な機能追加を行うケースでは、開発作業が発生する可能性もあります。
また、クレジットカード決済などの継続課金に対応した決済手段を用意しておくと、よりスムーズに運用できます。
ステップ4:運用開始
リピート通販のシステムが完成したあとは、運用を開始します。
受注処理や商品の梱包・出荷、問い合わせ対応といった日々の業務フローを回していきましょう。
運用開始後も、顧客へのアプローチ施策を継続的に行うことが大切です。
たとえば、フォローメールやクーポン配信など、再購入を促せる施策を取り入れましょう。
顧客の反応を見ながら改善を重ね、ファンの育成や顧客満足度の向上につなげていきます。
リピート通販を成功につなげる
ポイント

リピート通販で売上を伸ばすには、単に仕組みを作って運用するだけでは不十分です。
最後に、リピート通販を成功につなげる3つのポイントについて解説します。
初回購入しやすい工夫を取り入れる
まだ商品の魅力を知らない顧客にとって、初回から定期契約へ進むことは大きな負担になりがちです。
まずは商品を試してもらうために、初回購入の心理的なハードルを下げる工夫を取り入れましょう。
たとえば、初回限定の割引を提供する方法や、一定期間の全額返金保証を設ける方法が効果的です。
実際に商品を体験し、価値を感じてもらえれば、継続購入へ移行しやすくなります。
初回購入を促す取り組みが、ファン化の入口となります。
継続しやすい仕組みを設計する
リピート通販で初回購入につなげても、顧客が不満を抱けば解約に直結します。
獲得した顧客が離れないように、継続しやすい仕組みを整えることが重要です。
たとえば、商品が使いきれず余ってしまう状況は、解約理由としてよく挙げられます。
そこで、顧客の消費ペースに合わせて月単位で配送をスキップできる機能を用意すると、負担の軽減につながります。
さらに、継続回数に応じて割引率が上がるランク制度を取り入れれば、続ける理由が生まれます。
顧客が負担を感じにくく、継続したいと感じられる運用を目指してください。
決済手段を拡充して
購入ハードルを下げる
購入したい商品があっても、希望する決済手段がなければ購入を見送られてしまいます。
実際に弊社で調査したデータによると、初めて利用するネットショップで希望する決済手段がない場合、7割の方が購入を断念すると回答を得ています。

初回購入につなげるには、できる限り決済手段を拡大し、購入時のハードルを下げることが重要です。
特に、クレジットカードを持たない層や、Webサイトでカード情報を入力したくない層への対策は欠かせません。
「後払い決済」や「スマホ決済」など、多様な方法を選べる環境を整えましょう。
なかでも、支払い前に商品を確認できる後払い決済は安心感があり、新規顧客の購入を後押ししやすい手段です。
幅広い決済方法を用意すれば、初回購入の機会を逃しにくくなります。
まとめ

リピート通販とは、顧客が同じ商品を継続購入するビジネスモデルであり、売上の安定化や顧客育成、マーケティング費用の削減を期待できます。
導入時は、継続されやすい商材の選定や、システム・決済環境の整備が重要です。
特に、健康食品や化粧品などのコンプレックス商材はリピート通販と相性がよい一方、初回購入の不安からカゴ落ちが起こりやすいという課題があります。
この不安を軽減する手段として、後払い決済がおすすめです。
しかし、自社運用にはリスクが伴うため、後払い決済代行サービスの活用を検討しましょう。
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購入金額の上限設定がなく、商品キャンセル時の手数料も不要である点もメリットです。
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