キャッシュレス決済の
デメリットとは?
導入メリットとリスク対策も
解説

ECサイトや通販の運営では、キャッシュレス決済の導入が当たり前となりつつあります。
しかし、利用できる決済手段が増える一方で、コストやセキュリティ、運用面の負担など、慎重に見極めるべきポイントも多くあります。
事業を安定して伸ばすには、メリットとリスクを理解したうえで、自社に合った決済環境の整備が欠かせません。
本記事では、EC・通販事業者が知っておきたいキャッシュレス決済の基礎から導入メリット・デメリット、効果的に活用するためのポイントまで詳しく解説します。
キャッシュレス決済の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
キャッシュレス決済とは

キャッシュレス決済とは、クレジットカードやコード決済、電子マネーなど、現金を使わずオンラインで支払いが完了する仕組みを指します。
スマホの普及や非接触ニーズの高まりを背景に利用は急増しており、経済産業省の発表によると2024年のキャッシュレス決済比率は42.8%に達しました。
日本では、将来的に80%の比率を目指して環境整備を進めており、今後ますます普及が進むと見込まれています。
参照元:2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました|経済産業省
特にECサイトでは、複数の決済手段に対応することで購入完了率の向上や離脱防止につながるため、事業運営において重要な要素となりつつあります。
キャッシュレス決済を導入する
メリット

キャッシュレス決済には、EC・通販事業者にとって大きなメリットがあります。
特に、業務効率の向上や売上機会の拡大が代表的です。
ここからは、それぞれのメリットをより具体的に解説します。
業務効率が上がる
キャッシュレス決済を導入すると、注文後の入金確認や照合作業をシステムで自動処理できるようになり、これまで手作業で対応していた事務量を大幅に圧縮できます。
例えば、決済情報はリアルタイムで反映され、入金状況を逐一確認する必要がありません。
その結果、出荷作業までの流れをスムーズに整えられるほか、発送対応の安定にもつながる点もメリットです。
また、銀行振込にありがちな振込額の誤りや入力ミスが減少し、会計データの精度が高まります。
業務全体の効率が上がれば、スタッフは顧客対応や販促施策など、より注力すべき業務に時間を充てやすくなります。
売上機会を拡大できる
キャッシュレス決済の導入によって、支払い手段のミスマッチによる機会損失が減り、購入の後押しにつながる点もメリットです。
特にECサイトでは、利用者が希望する決済手段に対応していない場合、購入を途中であきらめて離脱してしまうケースが少なくありません。こうした「カゴ落ち」を防ぐには、クレジットカードやコード決済、電子マネーなど複数の手段をそろえることが大切です。
決済手段の選択肢が増えると、どの年齢層でも利用しやすい環境が整い、購入完了まで進む割合が上がります。結果として、機会損失を抑えながらコンバージョン率の向上も期待できます。
カゴ落ちについて、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は、ぜひご一読ください。
https://www.ato-barai.com/column/tsuhan/abandonedcart/
キャッシュレス決済を導入する
デメリット

キャッシュレス決済は多くのメリットがありますが、注意しておきたいデメリットも存在します。
導入後のトラブルを避けるためにも、事前に懸念点を把握しておくことが欠かせません。
ここからは、導入前に知っておきたい4つの主なデメリットを解説します。
導入・運用にコストがかかる
キャッシュレス決済を導入する際は、決済システムの設定やECカートとの連携に初期費用がかかる場合があります。
決済代行会社を利用する場合でも、取引ごとの手数料や月額料金などのランニングコストは、運用を続ける限り継続的に発生します。
また、手数料率や決済方式、入金サイクルはサービスによって大きく異なるため、導入後の収益に影響しやすい点にも注意しなければなりません。
自社の商品単価や販売数、購入されやすい決済手段を踏まえて比較することで、無駄なコストを抑えながら適切な決済サービスを選びやすくなります。
システム障害や通信トラブルの影響を
受けやすい
キャッシュレス決済では、決済システムやサーバーに障害が起きると、購入手続きそのものが停止する可能性があります。
決済代行会社や外部サービス側でトラブルが発生した場合でも、支払い完了処理が遅れたり、利用者が不安を感じて離脱につながったりする点には注意が必要です。
また、災害や通信障害が起きた際に決済が利用できなくなるケースも想定されます。
万が一の障害に備えてバックアップ体制を整えておくほか、決済が復旧した際の顧客対応フローを明確にしておくことが大切です。
セキュリティや不正利用への対応が
必要になる
キャッシュレス決済の導入時は、クレジットカード情報の漏えいや不正アクセス、なりすまし注文などのリスクを常に考慮する必要があります。
近年はフィッシングサイトや不正ログインによる被害も増えており、情報が流出した場合は事業者の信用失墜や損害賠償につながりかねません。
ECサイトや通販を安全に運用するには、PCI DSSに代表される国際基準に準拠したセキュリティ体制を整えるほか、不正検知システムの導入や監視フローの強化が不可欠です。
決済手段の利便性が高まる一方で、セキュリティ対策の負担も増えるため、リスクを理解したうえで慎重に運用する姿勢が求められます。
管理・経理業務が複雑化しやすい
ECサイトでは、複数のキャッシュレス決済の併用により、決済データや入金管理が煩雑になりがちです。
決済代行会社ごとに入金サイクルや手数料体系が異なるため、売上管理や資金繰りを正確に把握するまでに時間がかかるケースもあります。
また、決済方法が増えるほど入金照合や売上データの突合が必要となり、経理担当者の負担が大きくなる点もデメリットです。
管理画面が複数に分かれたり、入金日がバラついたりすると、日次・月次の作業効率にも影響が出やすくなるでしょう。
こうした課題を解決するには、キャッシュレス決済を導入する前に、データの管理方法や入金確認のルールをあらかじめ整理しておくことが重要です。
キャッシュレス決済を効果的に
導入・
運用するためのポイント

キャッシュレス決済は便利な一方で、導入後に思わぬトラブルや負担が生じるケースもあります。
安定した運用を実現するには、サービス選定や管理体制を事前に整えておくことが欠かせません。
ここからは、キャッシュレス決済を効果的に導入・運用するためのポイントを解説します。
顧客層に合った決済手段を選定する
ECサイトで効果的にキャッシュレス決済を運用するには、取り扱う商材の価格帯や購入者層に合った決済手段を選ぶことが大切です。
サイトを利用する年代や購入目的によって適した決済方法は異なります。
例えば、若年層が多い場合はコード決済やキャリア決済など、手軽に使える決済手段が選ばれやすいでしょう。
高単価の商品を扱う場合はクレジットカードや後払い決済の利用が増える傾向があります。
また、ユーザーの年齢層だけでなく、利用する端末や普段の支払い習慣も判断材料の1つです。
利用者がどの決済手段を求めているかを把握し、複数の手段を適切に組み合わせると、離脱の抑制や購入率の向上が期待できます。
入金サイクルやサポート体制を確認する
キャッシュレス決済の入金サイクルや振込手数料は、決済代行会社によって異なります。
入金タイミングが遅いと資金回収が後ろ倒しになり、仕入れ費用や広告費の支払いに影響が出かねません。
特に運転資金の動きが大きいEC事業者は、入金サイクルの短い手段を選ぶと、資金繰りを安定させやすくなります。
また、システム障害や決済エラーが発生した際に迅速に対応できるように、問い合わせ窓口の有無や対応時間、サポートの質をあらかじめ確認することも大切です。
スムーズかつ安全に運用するには、入金面とサポート面の両方を踏まえてサービスを選ぶ姿勢が求められます。
セキュリティ・不正防止対策を整える
ECサイトでキャッシュレス決済を運用する場合は、セキュリティ対策を十分に講じる必要があります。
サイトの脆弱性を定期的に点検し、決済システムを常に最新の状態に保ちましょう。
また、不正アクセス検知システムを導入するほか、2段階認証・3Dセキュアなどの本人確認の強化も大切です。
こうした取り組みにより、不正アクセスや情報漏えいのリスクを抑えられます。
加えて、システム面だけでなく社内の運用体制の構築も、セキュリティ対策に大きく影響する要素です。
顧客情報へのアクセス権限を明確にし、データ管理のルールを徹底するなど、ヒューマンエラーによる情報漏えいを防ぐための取り組みも意識して行いましょう。
キャッシュレス決済が使える
後払い決済
「届いてから払い」

「届いてから払い」は、キャッシュレス決済に対応しながら、請求業務や未払いリスクの負担を軽減できる後払いサービスです。
最後に、その特徴や導入するメリットについて詳しく紹介します。
多様な決済ニーズに対応し
顧客満足度を高める
届いてから払いの大きな特徴は、利用者が自分に合った支払い方法を選べる点です。
PayPayやクレジットカードといった主要なキャッシュレス決済に加えて、キャリア決済や請求書払いにも対応しているため、幅広い年齢層・利用環境のユーザーが利用しやすい決済体験を実現できます。
支払い方法を自由に選べる仕組みは、購入時の心理的ハードルを下げ、購買率の向上にもつながります。
また、使い慣れた決済手段により利便性が高まり、リピートを促しやすい点もメリットです。
多様な決済ニーズをカバーするためにも役立ちます。
与信審査・請求・回収の代行により
業務負担を軽減
届いてから払いでは、与信審査・請求書発行・入金管理・督促対応などの一連の請求業務をまとめて代行します。
自社で煩雑な請求書や回収作業を行う必要がないため、担当者の手間を大幅に削減できる点もメリットの1つです。
また、販売規模が拡大するほど管理業務は複雑になり、請求漏れや入金確認の遅れといった人為的ミスも起こりがちです。
こうした課題を解消し、高い運営品質を保つうえでも、届いてから払いは役立つサービスといえます。
未払いリスクを保証し安定した
資金回収を実現
届いてから払いは、利用者が支払い期限を過ぎて未払いになった場合も、代金を立て替えて支払います。
EC事業者は回収リスクを抱える必要がなく、安定して売上金を受け取れる仕組みです。
特に後払いを利用するユーザーが多いECサイトでは、未払いの発生によってキャッシュフローが不安定になりかねません。
届いてから払いは、こうした資金回収の課題を解消できるため、運営面の不安軽減につながります。
計画的な入金サイクルで
資金管理を安定化
届いてから払いでは、立替金があらかじめ決められたサイクルで入金されるため、入金時期を事前に把握することが可能です。
売上がどのタイミングで現金化されるかが予測しやすく、日々の支払い計画や運転資金の管理もしやすくなる点が大きなメリットです。
入金スケジュールが安定していれば、仕入れや広告費などの支払いに合わせた資金準備がスムーズに進み、キャッシュフローの乱れを防ぎやすくなります。
後払いが中心のECサイトでも、資金管理がスムーズになり、安定した運営基盤づくりに役立つでしょう。
まとめ

キャッシュレス決済には、手数料負担やセキュリティ対策の必要性などの課題もありますが、利用者の増加に伴い、EC事業者にとって欠かせない決済手段となりつつあります。
業務効率化や売上機会の拡大につながる点を踏まえると、適切な仕組みを選び、リスクに備えながら導入を進めることが大切です。
届いてから払いは、商品受け取り後に支払える安心感に加えて、PayPay・クレジットカード・キャリア決済など、多様なキャッシュレス決済にも対応しています。
請求・入金管理・督促対応の代行や未払い保証、計画的な入金サイクルなど、EC運営の負担を減らしながら資金管理の安定化を図るうえでも効果的なサービスです。
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