EC事業者必見!
キャッシュレス決済の種類やメリット、正しい選び方とは

キャッシュレス決済は、現金を使わずにスムーズな支払いができる手段として、若年層からシニア層まで幅広い世代で使われる決済手段です。スマートフォンの普及やポイント還元制度の影響もあり、日常生活に欠かせない存在となりつつあります。
この流れはEC業界にも大きく影響しており、決済手段の多様化が購入機会の拡大につながるケースも増えています。ユーザーの利便性を高め、購入のハードルを下げるには、キャッシュレス決済の導入が不可欠です。本記事では、代表的な決済手段の特徴や選び方のポイントについて解説します。
目次
キャッシュレス決済とは

キャッシュレス決済とは、現金を使わずに商品やサービスの代金を支払う方法です。クレジットカードやID決済、キャリア決済などが代表的で、スマートフォンやICカードといった端末を利用して決済を行います。
EC市場の拡大とともに、キャッシュレス決済の導入が急速に進んでいます。経済産業省の発表によれば、2024年の国内キャッシュレス決済比率は42.8%に達しました。そのうちクレジットカードが82.9%を占めています。
参照元:経済産業省|「2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました」
近年は世代を問わず、よりスムーズで便利な取引を求める傾向が強まっています。キャッシュレス決済は、こうした消費者のニーズに応える手段であると同時に、事業者にとっても業務の効率化や売上拡大を後押しする仕組みといえるでしょう。
参照元:消費者庁|キャッシュレス決済に対する意識
キャッシュレス決済における支払い方法の種類
キャッシュレス決済は、支払いの発生タイミングにより「前払い」「即時払い」「後払い」に分けられます。
前払い
前払いは「プリペイド型」ともいい、商品やサービスの利用前に特定の媒体(カード・アプリ等)へ入金する方式です。入金した金額(残高)の範囲内で決済ができます。チャージ式の電子マネーや、プリペイドカードなどが該当します。
利用者にとっては、あらかじめ支払っておくことで使いすぎを防ぎやすく、計画的に利用できる点がメリットです。
即時払い
即時払いは「デビット型」とも呼ばれ、商品やサービスの購入と同時に代金が支払い元から即時に引き落とされる方式です。銀行口座と連動するデビットカードや即時引き落としに対応したスマホ決済が該当します。
利用者にとっては、銀行口座の残高の範囲内でしか利用できないため、使いすぎを防げる点が大きなメリットです。あとからまとめて請求が来る心配もなく、支出管理をしやすいのも特徴です。
後払い
後払いは「ポストペイ型」とも呼ばれ、商品やサービスの購入後に代金が請求される方式です。クレジットカードやキャリア決済などが該当します。
利用者にとっては、購入時に口座にお金がなくても支払いができる利便性が大きなメリットです。さらに、クレジットカードやキャリア決済には不正利用や商品未着などのトラブル時に補償がついている場合が多く、安心して利用ができます。
ECサイトで導入されることの多いキャッシュレス決済【一覧表】

キャッシュレス決済は、支払いの発生タイミングだけでなく、決済手段の種類によっても分類できます。ここからは、ECサイトで導入されることの多い代表的なキャッシュレス決済について、主な特徴と併せて整理します。
| 決済手段 | 概要 | ECサイト側のメリット | ECサイト側のデメリット |
|---|---|---|---|
| クレジットカード決済 | ・日本で最も普及している キャッシュレス決済 ・支払いは後日まとめて 請求される |
・顧客満足度を高めやすい ・定期商品の継続率が高まる |
・不正利用やチャージバックの リスクがある |
| デビットカード決済 | ・銀行口座と直結し 、即時引き落とし ・使いすぎ防止に有効 |
・未成年やカードローン 利用不可のユーザーも 取り込みやすい ・海外からの集客が期待できる |
・返金処理に時間が かかる場合がある ・まだそれほど普及していない |
| ID決済 | ・外部IDで簡単に決済可能 ・ECサイト上で個人情報の 入力不要 |
・カゴ落ち防止に効果的 ・コンバージョン向上が 期待できる |
・契約や管理の面で 手間がかかる可能性がある |
| キャリア決済 | ・携帯電話料金と合算して 請求される ・IDやパスワードの入力で 利用可能 |
・離脱防止に有効 ・若年層や非クレジット層の 取り込みに有効 |
・決済上限額が低いため、 高額商品は不向き ・決済手数料が高い |
クレジットカード決済
クレジットカード決済は、あらかじめ設定された利用枠の範囲内で行われる「後払い型」の仕組みです。与信審査を経てカード会社が一時的に立て替えるため、利用者は購入時に現金を用意する必要がなく、後日まとめて代金を支払います。代表的なブランドには、VISA、Mastercard、JCB、American Expressなどがあります。
経済産業省の調査によれば、2024年のキャッシュレス決済においてクレジットカードは全体の82.9%を占めており、最も普及している決済手段です。
ECサイトにとってのメリットは、ポイント付与などの特典で顧客満足度を高めやすい点にあります。さらに、定期購入やサブスクリプションでは購入の支払いの手間が省かれるため、継続率の向上につながります。
一方で、不正利用によるチャージバックのリスクがあるため、導入時にはセキュリティ対策や運用体制の整備が欠かせません。
デビットカード決済
デビットカード決済は、利用者の銀行口座と直結したカードを使って支払いを行う仕組みです。購入と同時に代金が口座から即時引き落とされるため、事前のチャージや後日の請求がありません。代表的なサービスには、三菱UFJ-VISAデビット、楽天銀行デビットカード、GMOあおぞらネット銀行 Visaデビットなどがあります。
ECサイトにとってのメリットは、与信審査不要でカード作成ができるため、若年層やクレジットカードを持たない層にも利用しやすい点です。初回購入時の心理的ハードルを下げやすく、海外発行カードに対応している場合は、インバウンド需要の取り込みにも効果的に働くでしょう。
一方で、国内におけるデビットカードの普及率はクレジットカードに比べて低く、対応範囲や利用者数が限定的である点はデメリットです。また、一時的に二重引き落としや返金遅延が発生することもあります。
導入にあたっては、顧客層や商品単価、海外販売の有無などを踏まえ、ほかの決済手段との併用を検討することが望ましいでしょう。
ID決済
ID決済は、外部決済サービスのアカウントIDとパスワードでログインし、登録済みのクレジットカード情報や口座情報を利用して支払いを行う仕組みです。ユーザーは購入時にカード番号や個人情報を入力する必要がなく、スムーズに決済を完了できます。代表的なサービスには、PayPay、楽天Pay、Amazon Pay、Apple Payなどがあります。
ECサイトにとってのメリットは、購入時の操作が簡略化されることでカゴ落ちを防ぎやすく、コンバージョン率の向上が期待できる点です。さらに、既に利用経験のあるユーザーにとっては、慣れた画面でそのまま決済できるため、利便性の高さが購買行動を後押しします。
一方で、決済代行会社を利用せずに導入する場合、ID決済ごとに複雑な契約手続きが必要となり、入金サイクル管理などの運用面でも大きな負担が生じる点に注意が必要です。
キャリア決済
キャリア決済は、購入代金をスマートフォンの利用料金とまとめて請求する仕組みです。クレジットカード登録や銀行口座の入力は不要で、IDやパスワードを入力するだけで手続きを完了できます。代表的なサービスには、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いなどがあり、スマートフォン契約者向けに提供されています。
ECサイトにおけるメリットは、決済操作がシンプルなため離脱率の低下が期待できる点です。クレジットカードを持たないユーザーからの支持が高く、現金を持ち合わせていない場合でも使いやすいため、新規顧客の取り込みにも効果的です。
一方で、月間の決済上限額が設定されていることから、高価格帯の商品には向かない点がデメリットといえます。また、決済手数料がほかの手段に比べて高めに設定される傾向があり、導入時には利益率とのバランスを考慮する必要があります。
EC事業者がキャッシュレス決済を選ぶ際のポイント

ECサイトにキャッシュレス決済を導入する際は、自社の商材やターゲット層に合った選定が重要です。
ここからは、EC事業者が決済手段を選ぶ際に押さえておきたい3つの視点を解説します。
顧客層に適した決済手段を選ぶ
キャッシュレス決済にはさまざまな種類があるため、ターゲット層に合った選定が欠かせません。とくに顧客の年代や購買スタイルに応じて最適な手段を導入することが、成果に直結します。
たとえば、10~20代の若年層が中心であれば、ID決済やキャリア決済が有効です。スマートフォンから簡単に操作でき、スムーズな購入体験を提供できます。
一方で、幅広い年代の利用が見込まれる場合は、クレジットカード決済の導入が不可欠です。ユーザーが日常的に利用している手段を把握し、利用機会を逃さない環境を整えることが重要です。
導入・運用コストを加味する
キャッシュレス決済を導入する際は、初期費用や月額料金、1件あたりの決済処理(トランザクション)手数料など、各サービスのコスト構造を把握・比較することが重要です。
決済代行サービスを利用する場合は、売上に対して数%の手数料が発生し、決済手段ごとに負担率が異なります。さらに、取扱件数や月間売上に応じたプランが用意されている場合もあるため、事前に見積もりを確認しておくと安心です。
導入前には、各社の料金体系を比較し、長期的な運用コストを見据えたうえで、自社の売上規模や販売形態に適した決済手段を選ぶようにしましょう。
セキュリティの高さを確認する
安全な取引環境の整備は、ECサイト運営に欠かせない要素の1つです。キャッシュレス決済を導入する際は、不正利用や情報漏洩のリスクを最小限に抑えるため、セキュリティ対策を万全にする必要があります。
決済代行会社を利用する際には、SSL暗号化通信、3Dセキュア、PCI DSS準拠といった技術的な要件に加え、チャージバックや不正検知への対応状況もチェックすべきポイントです。
利用者に安心感を与えることは、購入途中での離脱防止につながり、コンバージョン率の向上も期待できます。導入時には機能性だけでなく、サポート体制や運用実績を含めて比較し、信頼性の高い決済手段を選定することが重要です。
まとめ

キャッシュレス決済は年々利用が拡大しており、EC業界においても導入するケースが増加しています。スムーズな購入体験や多様な決済手段の提供は、コンバージョン率の向上やカゴ落ち防止に直結するため、EC事業者にとって最適な決済手段の導入は欠かせません。
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